インターネット・ビジネス 2006 5 13

 時々見かけるのは、インターネット・メディアが、
テレビ・新聞・雑誌などの「既存のメディア」を脅かすという記事ですが、
現実は、甘くないと思います。
 それは、こんな話を聞いたからです。
数年前、外国語が得意な人が、世界中のニュースを集めて、
日本語に翻訳し、メールマガジンで配信するという事業をやっていました。
 国際化の時代なのに、テレビや新聞では、
国際ニュースの扱いが少ないと不満を持っている人が多いからでしょうか、
そのメールマガジンは、愛読者が、非常に多かったのです。
(実は、私も愛読者でした)。
 そこで、私は、メールマガジンの発行者に提案したことがあります。
「これほど有益で、世界中のニュースが見られるならば、有料にすべきではないか。
私は、有料でも、購読をします」と提案したのです。
 ところが、発行者からの返事は、意外なものでした。
「実は、以前、このメールマガジンを有料にしたことがあるが、
そしたら、購読希望者が、ほとんど、いなかった。
そこで、有料を、無料に戻して、
メールマガジンに広告をつけることで、収入源とした。
もっとも、広告料金は、すずめの涙程度だ」。
 私は、「これほど貴重なニュースが無料で見られるとは、
大変申し訳ない」と思いながら、購読を続けていましたが、
ある時、メールマガジンは廃刊になってしまいました。
 廃刊の理由は、発行者が本業に専念するということでした。
メールマガジンから得られる収入は、わずかで、
反面、手間は非常にかかるとなると、
メールマガジンを廃止して、本業に専念するのは、当然だと思います。
 知人から聞いた話では、
インターネット・ビジネスで成り立つものは、
趣味性が高いものか、娯楽性が高いものだけという話です。
 もっとも、これは、インターネットだけでなく、
既存のメディアにも当てはまる法則かもしれません。
 テレビ局は、「我々には、公共性がある」と言いながらも、
朝から晩まで娯楽番組を流し続けていること、
報道番組と称しながらも、中身はバラエティー番組に近いこと、
そういうことを考えれば、
趣味性が高いものか、娯楽性が高いものでないと、
ビジネスは成り立たないかもしれません。




































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